今日の音の種「ウ」
今日のことばの音の種は W です
Wは 移行音と呼ばれています
ある音からある音へ移行するから
移行音ですね
Wは 口をすぼめて「ウ」から「ワ」へ
一気に移行させて「ゥワ」と発音します
この「ゥワ」と移行して発音する方法も
Wの形に表現されています
W ダブル・ユ(double U)ふたつのUと発音するより
V がふたつで ダブル・ヴィと発音する方が良さそう
ですね(^^)
V 下の部分が 口をすぼめて「ウ」
V 上の部分で 口を一気に開けて「ワ」
V 真上から見ると 下の部分が
口をすぼめている感じで小さな○マルで小さく「ゥ」
上の部分が 口を一気に開けて大きな○マル「ワ」
一気に「ゥ」から「ワ」へ移行させて「ゥワ」
「ゥワ」と出現した ワ ○(輪)
ゥワと生まれてきた ワが
round(丸い・回転)のrの音で回転する
この世界 world(ゥワ~ルド)
Wから始まる単語なのに
「ゥ」から「ワ」の音へ移行・開放されずに
「ゥ」の音だけで内にこもり
次の音へと移行する場合があります
それが wr- から始まる単語です
wr- から始まる単語には「ねじれた」の
意味があります
wr- から始まる単語 wring(ゥリング)「絞る」を
ジーニアス英和大辞典で引くと こう書かれています
(以下引用です)
wring【初12C以前:古英語wringan(水気を取るため絞ったり、
ねじったりする)wr-で始まる英単語に「ねじれた」を意味する
ものが多い。cf. wrangle, wrong, wrinkle, writhe】
(以上引用でした)
wrangle(お互いの意見が食い違い、ねじれ入り組んだ)論争
wrestling(レスリング)は 意見ではなく、
お互いの体をねじりあい、入り組むように戦います
wrong(ねじれて正常でないため)間違っている
wrinkle(ねじれゆがんだところ)しわ
writhe(つらさや苦痛のため体がねじれ)苦悩する
W と R を組み合わせることで
どうして「ねじれた」の意味を表現する
ようになったのでしょうか?
僕は、こう想像しました。
目の前の具合悪い人が 体に力を入れながら
うなっているイメージです
W音: ウッと力を入れる
具合の悪い人が ウッと力を入れながら
体を丸くしたり 回転させています
R音: round(丸い・回転)のR
目の前の具合が悪い人が ウッと力を入れながら、
体を丸くしたり 回転しているのを見て
その体の「ねじれた」状況を表現したくて
WとR音の組み合わせが 生まれたのだろう
と思いました。
wry(ゥライ)(顔などがねじれて)しかめられた
wrench と wrest(ゥレスト)(ウッと力を入れて)ねじり取る
wrick(ゥリク)(足首などを)ねんざする
足首がねじれて ねんざすると 「ウッ」と
思わず声が出てしまいますね
wr- を含む英単語に 船大工shipwrightの
wright(ゥライト)があります
wrightを辞典で引くと こう書かれています
wright 名詞(船・車などの)大工;作者
shipwright(船大工)wheelwright(車大工)playwright(劇作家)
【古英語 wryhta, wyrhta worker; cf. WORK】
wr-から始まる単語ではありませんが
WとRを含む単語 workとworryにも
力が入り ねじれたイメージがありますね
work(仕事)も「ウッ」と力が入り
ねじり鉢巻きをしているイメージですね
worry(心配事)があると 「ウッ」と
体に力が入り 顔もねじれた感じになりますね
wr-音から始まる単語の発音について
思いついたことがあります
wring(絞る)とring(指輪)
今は 同じ発音ですね
今は 同じ発音ですが
昔は違ったのではないでしょうか?
日本語の「あいうえお」と「わゐうゑを」の違いを
思い出しましょう!
あいうえお A I U E O
わゐうゑを WA WI WU WE WO
ア行のイ・ウ・エとワ行のゐ・ウ・ゑ、
昔は 区別して発音していたのではないでしょうか?
今は区別しないで 発音していますね
これと同じように wring(絞る)とring(指輪)
昔は 区別して発音していたのではないでしょうか?
力が入り 力んだら出る声のように
口をすぼめて「ウ」とWの音をハッキリと発音して
wring(ゥリング)と発音していたのかもしれませんね
このねじれた語感のあるWR-音を簡単に体感できます
STEP1: 自分の目の前に手を持ってきます。
STEP2: 手首をねじります。
手首(wrist)ねじれましたか?
ねじれるwrist(手首)も wr-音ですね(^^)
今回のことばの音の種は 力が入り
力んだ語感がある「ウ」Wの音でした
今回取り上げた音の種「ウ」
無事に芽が出て 木に成長し
単語という木の実になっていたでしょうか?
P.S. 今回からブログのタイトルを変えました
きっかけになったのは
コア・ミーニング・アプローチとは何ですか?
とのニャン太さんからの質問と「派生していく樹形を
見せるとシステマティックになますね」との超一流の
言語学者から頂いたコメントが ひとつのイメージとして
結びついたからです。
ことばの1音1音という音の種1粒から 芽が出て
樹木へと成長して単語という木の実ができるイメージです
そして ブログの構成を まず音の種1粒を取り上げ
その種が 成長していく過程を書けば、「派生していく
樹形を見せるシステマティック」なブログが書けると
思いました
「音の種」だけだと 音楽も含むことになるので
「ことばの」を付け加えて「ことばの音の種」を
ブログのタイトルとしました
「ことばの音の種」となって初回に取り上げた音の種が
生まれるの「ウ」だったのも何か意味ある事なのかもしれません
ニャンタさん&超一流の言語学者の先生
ありがとうございます!
おかげでブログのタイトルの抽象度が1段階上がりました!
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